< Photo from Swiss Tennis Official Website >
「明日は、家族練習です。ティーンエイジャー2人の隣コートで、筆者は5歳児の練習につきあいます。まだ5歳なので遊びながら、フォア、バック、ボレー、サーブ、ラリーの練習をやります。早く筆者と試合ができるようにならないかな~と思うのですが(ラリーは数回続きます)、母との練習につきあてくれるのも今のうちと思って、貴重な時間を過ごしたいと思います。」
そして今どうしているかというと、なんと、スイスの全国大会に出場できるレベルになっています。全国大会本戦出場ってすごいですよね。ですので、今のうちにその素晴らしい体験について、書き綴っておきたいと思います。
● これまでの主な戦績
スイスの全国大会は、1月の冬の大会と7月の夏の大会、1年間で計2回あります。各年齢カテゴリは2年間のため、2回/年 × 2年 = 計4回、全国大会に挑戦できます。
以前、スイスでは外国人はジュニア全国大会に出場できなかったのですが、息子が州大会優勝したのでその実績を引っ提げて、「次の目標のために全国大会に出場してみたい」「なぜ親の都合で連れてこられた外国籍の子どもたちに参加権がないのか」と、スイステニス協会に素朴な疑問として聞いてみました。当時、私が調べた限りでは、日本と米国は条件がそろえば認めていたことも、参考例として提出しました。
そして現在は、以下の条件で外国籍のスイス在住者でも参加可能です。
【スイスジュニア全国大会出場条件】
- スイスの正式な滞在許可証で2年以上居住していること
- 国際大会にスイス国籍以外の国籍で参加経験がないこと
余談ですが、息子のコーチに褒められました。それまで何人かの外国籍生徒がいたようですが、皆、全国大会だけはスイステニス協会に断られていたそうです。
さて、これまでの彼女のスイスジュニア全国大会での戦績です。
- 2024年冬のU12大会 予選最終ラウンド(3回戦目)
- 2025年冬のU12大会 本戦ダイレクトイン ベスト16
- 2026年冬のU14大会 予選3試合勝ち抜き、本戦1回戦
また、これとは別に、州大会での戦績です。
- 2023年夏のU10州大会 優勝
- 2024年冬のU12州大会 準優勝
ちなみにわが家の場合、夏は日本に一時帰国しているため、7月の全国大会も8月の州大会も、あまり積極的に出場していません。以前は息子たちのテニスサポート期間で、夏の一時帰国のスケジュールも彼らの大会に合わせて組んでいました。その反動もあり、そろそろ自由になりたく(私が)、また、娘がまだそこまでテニスに執着していなさそうなので(それがのびのびテニスをできている理由の一つかもしれません)、夏は好きな時期に帰国することにしました。もう8月の州大会に合わせて帰国日を早めなくていい!と思うと、自由な翼を広げた気分でした(母が)。
ですが、帰省後の州大会はできる範囲で出場しようか、と娘と話していました。
昨年帰省から戻った直後の州大会に関しては、日程調整が無理ならWO扱いにしてください、と主催者にお願いしておいたのですが、間に合ってしまったため出場したところ、負けてしまいました。一回戦目は強敵相手で、時差ボケもありますし、日本で練習していたとはいえサーフェスも違いますし、少しかわいそうでした。
今年からは、帰省後の州大会は十分な準備ができない限り参加しないことにしました。ちなみに数年前より8月の開催日が早まったことも、準備不足になりやすい一因です。
娘の場合は、現地校、日本語補習校、テニスを両立した上でのテニスですから、この3つを並行して取り組んできたこと自体が、素晴らしい努力の積み重ねです。
● キッズテニス時代
娘については、何歳からテニスを始めたかうろ覚えです。お兄ちゃんたちの高いラケットを触らないよう、2歳くらいからおもちゃのラケットを買い渡していました。
平日は週1〜2回コートを借りて一緒に練習していました。ボールを追いかける姿が本当にかわいかったです(もちろん、今でも可愛いですが!)。5歳で基本ストロークなど一通りやっていたのですね、笑。それはうまくなりますよね。運動神経も良い方だと思います。私も、「まぁいつかうまくなるかな」くらいの軽い気持ちで、とにかく一緒に楽しむことを目的としていました。私自身はテニスをほとんど習ったことがなかったため、息子たちのレッスンを見て見様見真似で相手をしてあげました。
お兄ちゃんたちが練習している横で一緒に練習したり、週末のお友達との練習会に参加したり、そこで経験者の方たちに教えていただける機会もありました。「将来楽しみですね」とおっしゃっていただいたこともありましたが、「いや〜…」と、彼女の性格上、試合に向いているかどうか分からなかったため、どうなるかは未知でしたね。
ITFが推奨するキッズテニス(レッド→オレンジ→グリーンボールと段階的に進む仕組み)を、娘の時代にスイステニスが導入しました。州のテニス協会が主催するグリーンボールの試合にできるだけ出場するようにしました。この仕組みが息子たちの時代にもあったらよかったのに、と思います。
【キッズテニス試合フォーマット】
- U10のR8以下
- シングルスおよびダブルス
- 半日開催、1試合5分
- スコアのカウントは1、2、3…
10回の開催のうち5回ほど出場できたでしょうか。上位何名かがプレーオフに招かれ、娘はそこで3位になりました。上位2名は年上のお姉さんと、ほぼ毎日クラブ練習しているつわもののの女の子でした。ほぼ家族練習しかしていないのに、すごいじゃん!と思っていたのですが、娘はできれば優勝したかったそうです。
その後、徐々に公式戦に出場し始めました。州大会と同レベルの大会でもU10やU12の時に優勝し、U12の時にはU14や大人の大会でも優勝経験をしました。
今まで、ボーイズの試合しか見たことなかった私は、女の子の試合って平和だな…と思いました。そして、あるトーナメントでは、全員が泣いているのを見ました。娘が倒した相手が、次々に泣くんです。優勝した娘でさえ、決勝戦の試合の最中リードしているにもかかわらず、プレッシャーを感じたのか、泣きだしていました。もう、そばに行ってぎゅっとしてあげたかったですよ。
泣かれるとね、相手のお子さんには同情したくなるのですが、以前、泣いた後スッキリした子に逆転負けを経験した娘は、試合が終わるまで手を緩めずに戦うように成長しました。
1週間の練習量は、クラブでの練習2回、私との練習1〜2回、試合のない週末は大人とのダブルス練習1回。
「クラブの練習が2回だけで全国大会に出られるの?どうやってるの?」と周りからは不思議がられていますが、私も相当息子たちのジュニアテニスに付き合ってきましたから、分析能力が高くなったといいますか…私自身がテニスがうまくなりたいので、どうやったら上手くなるのかよく研究している、ということもあるのかもしれません。
ただ、これからは娘自身の意思が重要になってきますよね。彼女自身がどれだけうまくなりたいか、勝ちたいか、本当にテニスをやりたいのかを考えて行動することでしか、上達はしていかないと思うからです。また、生まれ持った身長や体格は、そのままを受け入れるしかありません。
少しずつ、「テニス好き?」「どうしてやりたいの?」と問いかけ、自分で考えてもらうようにしています。
ひとまず、兄たちを見ていると、テニスをやっておいた方がいいかな、とは思っているみたいです。ちなみに彼女の兄たちは大学でテニスの道には進みませんでしたが、勉強、試験、就職活動、仕事のあらゆる場面において、テニスでの経験が役立っていると言っています。
それはそうだと思います。コートの上では1人で戦わなければなりませんし、練習への取り組み姿勢でどのくらいのスピードで上達するかも変わってきますし、試合当日までの体調管理だって、1人でやる経験がないと難しいと思います。プレッシャー下でのメンタルコントロールも。
こちらでは、試験前に泣いている子はほぼ女子です(たまたま見聞きしたケースが女の子だけなのかもしれませんが)。スポーツでも何でもよいのですが、プレッシャーを感じる時にどう気持ちをさばくか、特に女の子はその経験を積めていないことも多く、本当にかわいそうです。いきなり本番で、という状況になってしまう。
個人対戦型スポーツですが、コミュニケーション能力も必要です。勝つだけが目的の性格の悪い選手であれば、ダブルスパートナーや練習相手が見つからなくなるため、バランスが必要です。
話は戻りますが、そもそも今の娘のレベルの技術があれば、レジャーテニスであればもう十分なレベルです。これ以上お金を払ってレッスンに通うのであれば、彼女なりの目標がないと上達は難しいですし、上達しないとそもそも面白くないと思います。
彼女のレベルがどんどん上がって私がなかなか相手できなくなってきたため、クラブ練習を増やす必要もあり、彼女にはやりたいのかやりたくないのか、自分で決めてもらわないといけません。一応、続けたいようです。だんだん反抗期にも入ってきましたから、親子関係は難しいですね。私も何となく、娘相手だと勝っちゃいけないような気がして(私が勝つとふてくされるから)、全く気を使っていないと言えばうそになります。
少し前までは、私との練習中に彼女の態度が悪く、険悪な雰囲気になることも少々ありました。お互い怒りが爆発して、何度も話し合いました。試合は負けてもいいんです。私はどちらかといえば、彼女のふてくされた態度が気になっていたため、「そんな態度の人とは練習したくないんだけど」とぶつかりましたね。正直、ジュニアテニスは3人目ですから(もうたくさん経験した)、私はマナーの良い大人と練習したい…というのが本音で。
一方で、お互い2人で練習できる時間も尊いものだということも自覚していたと思います(少なくとも私は)。なので、時折お互い爆発しつつも、その後はとても良い練習ができているので、ほんと親子関係もテニスの上達も、山あり谷ありですね。それが面白いから続けられているのかもしれません。
● スイス全国大会U12 本戦出場
U12の2年目の冬に、本戦ダイレクトインしました。年齢が上の方のカテゴリだったため、1回戦目は年下の子と当たり、ストレートで勝つことができました。2回戦目はその年の優勝者と当たってしまい、全国大会という緊張もある中で、とても上手な子に負けてしまいました。その子は今、U14でスイス代表として国際大会を戦っています。当時からとてもスピンが上手な子でした。パーソナリティも良く、私にも笑顔で挨拶してくれるような、とても好感の持てる選手でした。
娘はとても緊張していて、少し萎縮してしまったところがあったかもしれません。とてもよく頑張っていましたが、なかなか思うように打ち返すことができず、スピンのかかった重い球をうまく処理できないまま敗退してしまいました。
スイスの全国大会はルツェルンという町で行われます。前の晩から現地入りして環境に慣れることが課題でした。米国やヨーロッパに遠征試合をされている日本の選手の皆さんに想いを馳せ、とはいえ国内だからまだ恵まれている、と自分を励ましました。
大会が12月ということもあり、まず体調管理にもとても神経を使いました。年末はイベントが多いですから、パーティーなどで風邪をひかないように、学校でも風邪をひかないように、睡眠をよく取り、よく食べ、体力を温存することが課題でした。また、現地までの道のりが長く私が車を運転するため、私自身の体力作りにも気をつけました。
冬休みを挟んでの大会だったため、だいたいヨーロッパの皆さんはバカンス旅行しますよね。ですがわが家は息子たちがスイスに帰省してくることもあり、娘の練習環境の事も考慮し、あまり遠出することは避けました。スイスの全国大会の後には州大会もあり、その後にはクラブでの大会も控えていたため、12月下旬から2月の頭まではテニス中心で、私もスケジュール管理・体調管理・食事の用意と、本当に気をつけましたね。
娘にとっては初めてのスイス全国大会本戦出場でしたが、とても良い経験になったようで、「クォーターファイナルに進出したい」という新たな目標を掲げたようです。
娘が戦った会場は本会場ではなかったようで、前日に下見をした時にあまりにもシンプルな造りで少し拍子抜けしました。いつか本会場で戦えるくらいになれたらいいですね。今回は1回戦を勝ち抜いて2回戦に進出できたことは、本当に良かったと思います。その後はホテルも取っていたのですが、さすがに長い道のりを戻る体力も私には残っておらず、延泊しました。ルツェルンの町は実は以前観光に来たことがあるのですが、娘をスイス交通博物館や有名な橋に案内し、とても良い思い出ができました。
【スイスはルツェルンの街並み】
<Photo from Unsplash,Geertje Caliguire >
試合会場にいた選手たちはほぼ全て顔見知りでした。一部の選手たちはスイステニスが主催する強化選手グループに所属している子たちもいれば、月1回ほど招集されて練習試合をしている子達もいます。実は娘も上位16名に入っているため、スイステニス主催のイベントに年に1〜2回呼ばれています。それを目標に日々の練習を頑張ってくれればいいのですが、お友達からのお誘いもありますし、娘にはテニス以外でもやりたいことがあるため、我が家の場合はテニスだけに集中するというのは少し難しい状況です。そのため、限られた時間をいかに効果的に効率よく練習するか、ということは常に考えていると思います。
● スイス全国大会U14 予選突破!
昨年の11月下旬にスイス全国大会U14の予選がありました。娘は12歳になっていたためU14に進級です。U14にもなると大人の女性の体型の選手も多いため、U14の1年目に全国大会の本戦出場はさすがに難しいだろうなと思っていました。正直、2年目にもし出られたらすごいな、と思っていたくらいです。ところが!
娘はとても頑張って3試合を勝ち抜き、本戦出場を決めたのです。正直、びっくりしました。結果的に、U14カテゴリーで私たちの住む州から出場したのは娘1人でした。娘はまだ州の強化選手練習には参加していません。
1回戦目は同世代の子と当たり、堅実に勝ち進みました。2回戦目は年上の子と当たり、以前も戦ったことのある相手だったので戦い方は分かっていたのですが、相手がとても成長していてメンタルが全く崩れませんでした。それでも娘は予想外の展開にも対応し、堅実に勝つことができました。
3回戦目の前に、隣のコートで同じ州から来た女の子と、年上の別の州から来た女の子が戦っていました。娘は3回戦目でその試合の勝者と対戦するため、それぞれどんな戦い方をするのか観察していました。
ところが、別の州から来た女の子のジャッジがあまりにもひどく、15cmほど入っているボールをアウトコールしていました。そこには同じ州から来た女の子の両親、州のテニス協会の方、そして私たちも見ていました。娘が数えていたところ、少なくとも7回はおかしいコールがあったようです。主催者は、基本選手が言いに来ないと何も対応しません。ですが、あまりにも理不尽な状況でしたので、私は、主催者に「すみません、1番コートであまりにもミスジャッジが多いため、どなたか見に行って頂いた方がいいと思うのですが。」と伝えました。
主催者は「分かりました」と言ってコートに向かったのですが、会場には4面あり、その中央の椅子に座ってしまいました。実際に問題が起きているのは一番手前のコートです。私は別の主催者に「今、主催者の方が会場の真ん中に座っているのですが、問題のある試合は手前のコートです。なぜ見てくれないのですか」と聞くと、「私たちが会場にいるだけで選手はプレッシャーを感じますし、何かあれば選手自身が主催者に申し出なければなりません」という回答でした。模範回答ですよね。
結局、同じ州から来た女の子は主催者へのレポートをしないまま、第3セット激戦の末に負けてしまいました。負けた選手の保護者がミスジャッジの多かった選手の保護者にクレームをつけていました。ああ、この後、そのミスジャッジの多い選手と娘は戦うのか…と少し憂鬱になりました。さて、どうしましょう。
ただ、結局のところどうやって勝つかに集中するしかありません。コーチに同様の考えでした。ちなみに、コーチはその後別のカテゴリの選手の応援に行く必要があったため、3戦目は娘と私だけで対応しました。
娘も「あの子、すごいチーター(Cheater, ずるいことをする人)だね」と不服そうでした。でもそのままの気持ちでいると、負けた時の言い訳になってしまいます(相手がずるい選手だから負けたことにしてしまう)。
そこで私は「あの子、何回ミスジャッジあったと思う?」と娘に聞いたところ「7回」と答えました。「ジュニアの試合って、1試合だいたい何ゲーム戦う?何ポイント戦うと思う?」と聞いてみたら「だいたい170ポイントくらい」と答えました。すぐに返ってきたことに感心しながら、私もすぐにネット検索をしてみると、ジュニアの試合は1試合だいたい170〜200ポイントということが分かりました。「すごい、当たってるよ」という会話をした後、「200ポイント中7ポイント、それはたったの3%。残り97%の193ポイントをどうやって取るかに集中した方が絶対いいよ」という話をしました。
後でコーチにこの話をすると「すごくいいコーチングだね」と言われました。娘も「なるほど、7ポイント仮に取られても、残りの193ポイントを全部取れば勝てるのか」と前向きな発想に切り替わったようです。
フェデラーが引退後、米国ダートマス大学での祝辞で「生涯獲得ポイントは54%程度だった」と話していましたよね。有名なスピーチです。
世界で最も活躍したプレイヤーでさえ約半分しかポイントを取れていないわけです。逆に言えば、半分ちょっと取れば勝てるわけです。たとえ7ポイントを相手がズルをして取ったとしても、193ポイント、つまり97%のポイントを取れれば確実に勝てます。我ながら良いアイデアだな、と思いました。
3回戦の相手の特徴についても話し合ったのですが、対策や解決策を話し忘れてしまいました。そのため試合序盤は相手選手の強みにものすごく翻弄されていたのですが、終盤には娘も自分で解決策を見つけたようで、最後は自分で頑張っていました。「3セット戦った末になんとか勝てたね、どうやって解決策見つけたの?」と聞いたら「もう絶対に取ってやると思った」と言っていました。「絶対に取ってやる」と思うと、体って自然に動くんですよね。
なお、相手選手も前の試合で「ミスジャッジが多い」と相手の親からクレームをつけられたためか、家族で話し合ったのかもしれません。娘と戦った時にはかなりフェアプレーでした。
本当によく頑張りました。ドローも良かったと思います。1つ前の試合で、同じ州から来た女の子が3試合目の相手を相当疲れさせてくれていたことも結果的には良かったと思います。それも含めて試合ですから、娘は堂々と胸を張ってほしいと思います。
● スイス全国大会U14 本戦出場!
とても達成感のある予選から約1ヶ月後に本戦がありました。ただ、予選3試合を勝ち抜いた満足感というものがあり、正直、本戦に万全な状態で臨めたかといえばそうではなかったかもしれません。冬休みの間、遠方に住むお兄ちゃんたちが帰省したこともあり、娘の試合は入れませんでした。家族との時間を大切にしたかったからです。またその間に風邪もひきました。ファッションに興味のある娘、冬でも薄着なんですよね。最近の女子は短いトップスを着るためお腹が見えそうで、「もっと長いの着なさい」と言っていたのですが、案の定お腹を冷やして風邪をひいてしまいました。そろそろ体調管理の重要性を分かってほしいですね。まぁとはいえ、できる範囲で準備を行って本戦に臨んだわけです。
対戦相手は1つ上のお姉さんで、よく知っている子でした。今まで一度も勝ったことがありません。娘が試合会場についてから「テニス、やめようかな」と呟いたのです。はっとしました。「やりたくないの?じゃあ何がやりたいの?」という話になり、「学校で友達とクラブ活動がしたい」というような話になりました。「じゃあ何曜日にこれをやってみるといいじゃん」といろいろ提案していたのですが、真剣な相談として受け止めて話しているうちに、私はだんだん腹が立ってきました。
「ちょっと待ってよ。これから本戦の1回戦が始まるんだよ。そんな当日にやめようかなって言われても、何のために来たのかってなっちゃうし、ママとしてはそんなこと言われても、今はもう会場にいる以上、とにかく頑張ってきなさい!と言うしかないよね。」と本音を言いました。そう言ってしまってから少し冷静になり、改めて彼女に聞いてみました。「ねえ、もしかして全国大会本戦ということで緊張してるの?」。「そうかもね」と彼女は言いました。
私はそんな娘になんて声をかけていいか分かりませんでした。全国大会に出られるだけでも素晴らしいことですし、しかも予選3試合を自分の力で突破しての見事な本戦進出です。胸を張って、この1回戦を楽しんでくれればそれでいい、他の試合と同じように1試合だと思って取り組んでもらえればそれでいい、と思っていました。ところが、やはり本戦ということで彼女は緊張して萎縮してしまったようです。相手を冷静に分析することもできず、あっさりと負けてしまいました。
予選突破があまりにも素晴らしかったこともあり、少し満足してしまっていた部分もあるのかもしれませんね。
後日、全豪オープンで日本人選手が予選3試合を勝ち抜いて見事に本戦出場を決めた後、予選決勝でギリギリの状態で勝ち上がったシーンを見て、「予選をこんなにいっぱいいっぱいで勝ち上がってたら、本戦はではなかなか勝てないんじゃないかな」と彼女はぽろっとつぶやいていました。自分の経験と重ね合わせていたようです。
それが分かっただけでも良い経験だったな、と思いました。そうです、予選をギリギリで勝ち上がっているようでは本戦は苦しいんです。だから本戦を意識して練習するしかないんです。大人でも一定の気持ちを維持するのは難しいですよね。私も本日友人と練習して、サーブとラリーはいいのに、ポイント練習になったとたんミスの連発でした…。悔しい気持ちを胸に、また頑張りたいと思います。
女子はU14から体ができてきますから、ここからはテニスを一生懸命やっていきたいと思う子が伸びていきます。娘の本気はいかに。
先日の冬季オリンピック(イタリア・コルティナ)も素晴らしかったですね。一躍有名になったフィギュアスケートの米国のアリサ・リウ選手いわく、「親が子どものスポーツに対する態度をコントロールすることはできない」。やりたい子はやるし、やらない子はやらないし、子どもってそんなものですよね。娘とよく相談しながら、彼女がやりたいと思えるような環境づくりに専念したいと思います。あとは彼女との練習を、私自身が楽しみながらしていきたい思います。娘が、家族とのテニス時間が楽しいと思ってこの家を巣立ってくれたら、私は嬉しいです。
これからスイスは、全国クラブ対抗戦のシーズンが待っています。今年から、娘は大人のチームで戦います。もう大人と試合するんですよ…。大人って、すごく粘りますからね。ジュニアは忍耐力がまだ大人ほどないため、なかなか苦戦するんです。だけど、どうやって勝てるかな?という課題に対して、楽しみながら取り組んでくれたらいいな、と思っています。
その前に、8年間通った日本語補習校の卒業式がありますが、それはまた機会があれば。
それでは、今回は、娘がスイスのジュニアテニス全国大会出場記念に、思いを書き残しておきました。長文お読み頂き、ありがとうございました!
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