スイスでの、アトピー&乾燥肌対処法

 < <Photo by Camille Brodard on Unsplash >

(更新:6月8日, 2022)

皆さん、こんにちは!

今朝は、気温10度のスイスからです。

筆者の家庭では、先週娘が、今週から息子たちが晴れて学校に戻ってくれました。長男は高校で最終学年ですが、ロックダウンからなんと半年も家にいましたよ…子3人の食事準備が本当に大変でした。その話は今度改めてするとして。

今回は、夏休みも終わる直前、6歳娘がアトピーのアウトブレイク(アトピーのひどい症状)がありまして、スイスでのアトピー&乾燥肌対処法について書いておきたいと思います。

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⚫︎ 家系的なアトピー体質
⚫︎ アトピーのアウトブレイクの原因
⚫︎ スイスでのアトピー&乾燥肌対処法
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⚫︎ 家系的なアトピー体質

筆者の家系は、(筆者の)父親側がアトピー体質で、筆者自身も中学生時代がアトピー全盛期で、それ以来、つい数年前までは、時折ステロイドやプロトピックを使用してコントロールしていました。ここ数年、ステロイドやプロトピックはほとんど使わなくなりましたが、朝晩の保湿は、今でも続けています。

中学時代は、夜中に痒くて掻きむしってしまうので、要は腕が曲がらなければいいんだ!と思いつき、両肘にお寿司を巻く時に使うまきすを巻いて、寝たこともあります。でも、結局無意識に自分で外してしまうんですよね。特に、顔の頬、両肘の内側、膝の内側が酷かったです。

当時は、アトピーの原因も詳しく解明されていませんでしたし情報も少なかったため、母があれこれ聞いてきては、民間療法も色々試しましたね…どれ一つとしてこれといった効果はありませんでした。でも、母もなんとかしてあげたいと、一生懸命だったのだと思います。

また、治療過程で、アレルゲンのテストも受けました。金属アレルギー(亜鉛とスズ)の反応が出たので、「疑わしきは外しましょう」ということで、当時の銀歯の詰め物を全て取り除き、比較的アレルギーの出ないと言われている金(本当なのかは知りませんが)やセラミックのような詰め物に全て変えました。

それでも、これといって効果は感じられませんでした。

当時は、あまり痒くのないのにかくことが習慣になってしまっていたと自分をせめていたのですが、最近ニュースに出ていた研究結果では、かくと痒みを誘発するタンパク質を生成するため、またかいてしまう、ということが分かっているようです。

また、現在のアトピーの治療では、全身保湿や薬治療と並行して、痒み抑える抗ヒスタミン剤を服用したり、痒き癖を直すために掻いたことを日記に記録して、意識的に掻く回数を減らしていく治療法も取り入れられているようです。

今思えば、筆者の性格的なものもあったかと思います。もっと、筆者がおおらかで「ま、いっか」と色々妥協できる性格であれば、そこまで自分の体をかくことで傷つけずに済んだんじゃないか、と思っています。

痒みは確かにあったのですが、実は、外出中はそんなに気にならなかったのですよね。意識が別のところに行っているからだと思います。ということは、家の中にいる時も、別のことを考えていたら、つまりはストレス対処法やリラックス方法が分かっていれば、そんなに掻く必要がなかったのではないかと思います。

子ども3人も、あんな辛い思いはさせたくなかったので、3人それぞれ生まれた時から、保湿は気をつけてきました。

ただ、反抗期に入ると、親にそうそう体は触らせませんから、息子たちは保湿が疎かになり、肘の内側、脇の下、膝の内側など、アトピーの症状が出てきてしまいました。赤ちゃんの頃からあんなに気を付けてきたのに…ちょっと無力感😩

しかし、長男はニキビも一時期ひどく、アトピーの症状も出てきているのに、全く気にしていない様子。無頓着。ちなみに、ニキビはピークを過ぎ、落ち着いてきました。筆者の経験を反省に、受験期ですし、これからも役に立つ、ストレス解消法やリラックス方法を今から色々と自分で試していることも功を奏しているのかも。

次男も、スポーツ後、タイミングよくシャワーが浴びられるわけではないので、それが良くないのか、肘や膝の内側が、傷ができているくらい掻きむしっているのですよね。ニキビ、髪型、ファッションは気にするのに、アトピーの症状は、全く気にしていない様子。

どうしたものか…
肌に傷がついていると感染症の原因にもなりますし、良い状態を保っているに越したことはないと、思ってしまうのですよね、親としては。

まぁ、この息子2人の無頓着は、これはこれでおおらかで良かったと思うことにして…しかし、問題意識がないと、治そうという努力も全くしないので、筆者1人が格闘している気分に時折なりました。

さて、6歳娘はどちらかといえば、トラブル肌の長男や筆者と似た肌質。半年位前から、首や手首を掻いているなぁとは思っていたのですが。

娘のこの夏唯一の習い事、1週間のダンスレッスンも半ばの水曜日、アトピーのアウトブレイクが発生しました。首周り、腕、手首、膝裏に真っ赤なマダラ模様の赤い蕁麻疹のようなものがブワッとたくさん出てきてびっくりしました!当然、残りのダンスレッスンはキャンセルとなりました😭

首周りは、その腫れに体もびっくりしたのかリンパも腫れていて…。ところが、本人は至って元気で、全く気にしている様子がないんです。でも、見た感じ、痒くて痛そうなので、次の日皮膚科医に診てもらうことにしました。

⚫︎ アトピーのアウトブレイクの原因


こんなに、急激にアトピーの症状がでたのをみたことがなかったので、筆者は蕁麻疹かと思っていたのですが、診察結果は、アトピーのアウトブレイク、ということでした。こんなことがあるのか?!とびっくりして聞いてみると、

「こういった猛暑やストレスが原因で、アトピーのアウトブレイクはありうる。」

また、一日たった症状をみて、

「典型的なアトピーの症状です。」

ということでした…。そうなんだ…、なんだかとってもショックでした。

でも実際、猛暑になったことにより、このような症状がでているお子さんたちが他にもいる、とのことでした。かわいそうですね。

娘の症状は蕁麻疹かと思っていたのですが、蕁麻疹ならば、あとは残らないのだそうです。一方、娘の腕にはたくさんの白いマダラ模様が残っていました。これは、蕁麻疹ではなくて、湿疹(の後)なのだそうです。

でも、原因や症状名がハッキリと分かり、正しい対処法を行うことができるので、少しほっとしたというのも事実です。5日もすれば治るのではないか、という専門医の言葉が励みになりました。

⚫︎ スイスでのアトピー&乾燥肌対処法


ということで、夏休みも残すところあと1週間、というところで、皮膚科や小児科から正しいアトピー&乾燥肌対処法を教えてもらいました。

まず基本の乾燥肌対策です。

お風呂やシャワー時に使用するソープを処方してもらいました。それが、下記の写真の「Antidry wash」と「Puri-med」の液体ソープです。
(処方箋なしで購入できるかどうかは未確認)

まずは、左のAntidryで洗ってみて、まだ痒みが残るようでしたら、右のPuri-medを使ってみてください。娘が昨日、Puri-medを使ってみたら、「髪の毛が首に触っても、痒くない」と言っていました。

ちなみに、わが家では、顔や体はお風呂/シャワー時でも、手洗いです。スポンジやタオルで体をゴシゴシしません。最近、日本でもCMやっていますが、手でソープを泡だてて、そのまま顔や体を優しく洗います。筆者も、もう10年以上、タオル使っていません。そもそもアトピーの人たちは肌のバリア機能が弱いので、肌を擦り過ぎて肌をこれ以上こそぎとらない方が良いのだと思います。

それから痒みは、体が温まると出るという方もいるので、アトピーの症状が酷い時や痒みが強い時などは、ぬるめのシャワーやお風呂にした方が良いです。実際、筆者もそうしてきましたし、今回子どもたちにもそう言って気を付けてもらっています。

<左:andidry wash、右:Puri-med 液体ソープ>

ちなみに、これまで筆者宅では、全員、以下の液体石鹸を使っていました。BIODERMAの「Atoderm Gel  Douche」です。
スイスでもフランスでも、薬局で処方箋なしで購入可能です。1L入りでお値段もお手頃です。

こちらも乾燥、敏感肌用で、今の筆者はこれで大丈夫です。先のantidryもPuri-medも高いので、このAdoderm Gel Doucheで足りるのであれば、こちらの方がお財布には優しいです。

BIODERMAのAtoderm Gel  Douche>

さて、次は保湿剤。

今回、皮膚科や小児科から処方されたのは、以下の「DEXERYL Crème (Cream)」です。
(処方箋なしで購入できるかどうかは未確認)
表記されている通り、主な成分はグリセリン、ワセリン、パラフィノール。

シャワー/風呂上り直後に全身に塗ります。

筆者も塗ってみましたが、ベタつかないわりには保湿力は高く感じます。
長男と次男も、アトピーの症状がでている部分は、これを塗っています。娘は、風呂上りは全身、朝は顔、首、腕など、衣類から露出している部分を塗っています。

DEXERYL Crème (Cream)>

ちなみに、筆者はスイスに来てから、無香料でなるべく安く効果のある保湿剤を探しまくり、現在は下記の商品に落ち着いていました。

写真左はニュートロジーナの無香料保湿ローション「Deep Moisture Sensitive Bodylotion」、COOPで購入可能です。COOPで購入可能なので、こちらがあう人は再購入が楽でよかったですね。我が家では、長男がアトピー症状の出ていない部分に愛用しています。

写真右は、フランスのLAINOというブランドのオリーブ油保湿クリーム「SOIN Nutritif Intense」です。筆者には、ニュートロジーナでは少し保湿力が足りないと感じるのですが、これだと次の日の日中まで持つので、1日1度の塗布で間に合いとても気に入っています。もちろん、無香料です。

日本や米国ではまだ販売されていないようですが、ヨーロッパ、中東、アジア(中国、香港)では取り扱い店があるようなので、ご興味ある方は、ブランドサイトから問い合わせてみてください。

先日までフランスの近くの薬局で購入できたのですが、取り扱い停止となってしまい、スイスでの取扱店も教えもらいましたが、スイス国内だと高くなってしまうので、これからはイギリスの通販サイトで購入しようかな、と思案中です。

<左:ニュートロジーナのDeep Moisture Sensitive Bodylotion
右:LAINOSOIN Nutritif Intense

それから、顔の化粧水ですが、日本から持ってきた、アルージェの「モイスチャーミストローション」を子どもたち3人が使用しています。

皮膚科からは、保湿剤に関しては先のDEXERYLクリームしか処方されませんでしたが、このアルージェのローションは、ナノ分子で奥まで浸透するためか、子どもたちは好んで使用しています。娘の場合は、おでこの生え際や襟足など、頭皮部分の保湿としても使っています。

アルージェのモイスチャーミストローション>

さて、これら基本の乾燥肌対策をした上で、娘は、ステロイドを2種処方してもらいました。
  • Emovate - 顔、首用
  • Prednitop - 腕、体用
まずは、1日1回朝/5日間で、Emovateは使用停止。その後は症状がまだでている部分にPrednitopを1日1回朝に3回/週を1週間。さらに、1回/週を1週間で、使用をやめる。

また、最初の5日間は、内服用の抗ヒスタミン剤(セチリジンかデスロラタジン、抗ヒスタミン剤について詳しくは「【保存版】スイスの薬ってどう?ーわが家の常備薬」ご参照)が処方されました。

現在は、3回/週のところですがが、順調に落ち着いてきています。アウトブレイク直後は首周りが腫れていてとても心配していたので、本当によかったです。

ちなみに、ステロイドには5段回の強さ分類があり、症状に合わせて処方してもらいます。子どもの肌は大人よりも薄いので、大人よりは弱目のステロイドが処方されるので、今回も下位のステロイドが処方されたのだと思います。

今回、娘のアウトブレイクはダンスのレッスン中に出たと書きましたが、そういえば、それ以前にも、猛暑でサウナ状態のテニスコート(バルーンの中)でテニスをした時にも、軽めでしたが似たような症状が既に出ていました。今考えてみれば、蒸し暑さに耐えきれず、娘の小さな体がSOSを発信していたのかも。筆者は当然のことながら、その日は自宅待機していましたが、最近テニスが楽しい娘は「行く!」といったので他の家族と一緒に送り出してしまいました。皆さんのご家庭も、どうぞお気を付けください。

これを機に、これまで無頓着だった長男と次男にも、今炎症を起こしている部分くらいは、治して欲しいと思っています。

スイスの冬は特に乾燥しますから、「スイスでの、アトピー&乾燥肌対処法」が皆さんのご参考になれば幸いです。

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