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実はスイスはスポーツ国際組織の本部大国である、ということをご存じですか?
スポーツ国際組織というのは、例えば、皆さんもよくご存じのFIFA(国際サッカー連盟)やITF(国際テニス協会)のことです。
私は、スイスのジュネーブに国連欧州本部があるのは知っていたのですが、住んでみたら、テレビやニュースで時折耳にしていた世界中のスポーツ国際組織の本部が、実に多くスイスに存在しているということを知り、とても驚きました。
今日は、そんなスイスの一面について、書きたいと思います。
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オリンピック ミュージアム
スポーツ国際組織大国、スイス
スポーツマネジメントという選択肢
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オリンピック ミュージアム
各スポーツ国際組織を語る前に外せないのが、このスイスはローザンヌにあるオリンピックミュージアムの存在です。その名の通り、オリンピック関連の美術館で、歴代のメダルやトーチ(聖火棒)、プロモーション用のポスターなどが全部飾ってある、私の大好きな美術館です。皆さんを是非ご案内したい、ナンバー1観光スポットでもあります。常設展示はもちろんのこと、期間限定展示や子ども向けのイベントも多く開催され、行くたびに新しい発見があります。デザイン性も高く、スポーツと近代美術の両方を楽しめる美術館です。
大人になってから、オリンピックに関する色々な話を聞くようになりましたけれども、それでもやはりこの美術館に行くと、子どもの頃のワクワクした気持ちを思い出し、パワーをもらえるんですよね!
ちょっと話はそれますが、この美術館を作った時のスポンサー企業の名前が石碑に彫ってあり、見られるのです。それを見ると、日本の大企業の名前がたくさんあって、当時はジャパンマネーが潤沢だったんだなぁ…と、経済の歴史の一部を垣間見ることもできます。
なんでこのような美術館があるのかというと、その隣りに、
IOC (International Olympic Committee)
国際オリンピック委員会
があるからなんですね。そうです、あのオリンピックをどこの国で開催するか決めている組織です。数年前、安倍首相率いる代表団が東京オリンピック誘致のためにプレゼンテーションをしにやってきた組織です。
そのためか、また、スイスには欧州国連本部もあるためか、実に多くのスポーツ国際組織が本部を置いています。スイスは、山や国連だけではないんです。
スポーツ国際組織大国、スイス
私が日本にいる時から知っていた名前の組織がいっぱいあるので、なんとなく、私はスイスに住めていることにワクワクしています。例えば、下記の組織、皆さんもご存じではありませんか?● FIFA (Fédération Internationale de Football Association)
国際サッカー連盟、チューリッヒにあります。FIFAミュージアムもあるのでサッカーファンはスイスを訪れた際、必見です。
● UEFA (Union of European Football Associations)
欧州サッカー協会連合、ニヨンにあります。UEFAはイベントがらみでよく求人が出ていますので、サッカー好きなら、スイスへ移住の際は、こんな機会もあるんだ!と知っておいて頂ければと思います。
● FIS (Fédération Internationale de Ski)
国際スキー連盟、インターラーケンの近くブロッホシュトラッセにあります。スイスでは、毎冬必ずどこかのスキーリゾートで、FISの大会が行われています。わが子たちの学校では、中学生以上の学年は毎年一週間のスキー合宿に行くのですが、FISの大会が行われるような素晴らしいスキー場に行くこともあり、私にはうらやましい限りです。といいますのも、ペットショップボーイズのGo Westというテーマソング、懐かしいですね。
この他、日本が強い、または日本で人気スポーツの国際組織で、スイスに本部を置いている団体を調べて、以下に列挙してみました。
● FIBA (Fédération Internationale de Basketball Association)
国際バスケットボール連盟、ミー。日本でも海外でも、昔から学校の部活動として人気の高いスポーツですよね。わが子もスイスの学校でバスケットボール部に所属していたいたことがあり、合宿の一環で、国際バスケットボール協会を訪問したそうです。今年は日本もバスケットボールのワールドカップ出場が決まったみたいで、これから増々日本人選手が世界で活躍してくれると嬉しいですね!
●WBSC (World Baseball Softball Confederation)
世界野球ソフトボール連盟、ローザンヌ。オフィシャルホームページにいきなり日本が世界ランク一位と出ていました。2020年の東京オリンピックでは、追加種目として開催決定されて良かったですね!
● FIG (Fédération Internationale de Gymnastique)
国際体操連盟、ローザンヌ。長年の日本の体操選手の功績によるものでしょうか、2017年より日本人の渡邊守成氏が会長に就任されています。体操ニッポン、これからも頑張ってほしいですね。
● International Judo Federation
国際柔道連盟、ローザンヌにあります。柔道は、スイスだけでなく、隣国のフランスでもとても人気です。子どもたちの学校にも、部活があるくらいです。
● International Skating Union
国際スケート連合、ローザンヌ。フィギュアもスピードも、日本は強いので見ていて楽しいですよね。ちなみに、スイスで最も有名なスケート選手と言えば、フィギュアスケーターのステファン ランビエールでしょう。以前、彼のプロデュースしているアイスショーを見に行く機会がありましたが、ゲストに浅田真央さん、高橋大輔さんが出演されていて、私にとっては、夢のようなショーでした。
● FINA (Fédération Internationale de Natation)
国際水泳連盟、ローザンヌ。日本は、競泳もシンクロも見ごたえありますよね。そういえば、スイスでプールといえば、必ずといって良いほど、高い飛び込み台が設置してあります。タイミングがあえば、プール遊びする隣りで、高飛び込み競技の練習が見られるので面白いですよ。皆さん美しくしなやかに飛び込んでいらっしゃるので、見ごたえがあります。
● International Table Tennis Federation
国際卓球連盟、ローザンヌ。男女共に、日本および、アジアは強いですよね。ただ、日本にはまだプロリーグが存在していません。でも、ドイツには存在していて、若者の間では大人気だそうですよ!わが家の二番目も、テニスの次に卓球が好きなのだそうです。
スイスでは、公園やプールサイドに卓球台が置いてあるところが多いので、確かにティーンエイジャーがやっているかっこいいスポーツのイメージがあるのかもしれません。一方、日本と言えば温泉宿?プロモーション方法を変えたら、競技人口も増えて、プロリーグも作りやすくなるかもしれませんよね?
● FIVA (Fédération Internationale de Volleyball)
国際バレーボール連盟、ローザンヌ。少し今は低迷しているようですが(とは言っても女子は世界6位!)、今でも部活では人気スポーツですよね。もしかしたら、春は野球よりも春高バレーボールの方が季節の風物詩かも?筆者も見るのは大好きです。ローザンヌには、日本代表選手団がやってきて親善試合をしていると、友人が教えてくれました。
● UWW (United World Wrestling)
世界レスリング連合、ローザンヌのとなりのヴヴェイ。ヴヴェイ、本当にきれいな街なんですよ。機会があったら、是非一度訪れてみてください。レスリングについてはあまり詳しくはないのですが、日本はとても強い印象ですよね。これからも頑張ってほしいと思います。
こうざっと見ただけでも、スイスって人口が約800万人の小国なのに、スポーツ界の中心的な存在を確立している印象です。是非とも各組織には、選手第一で、健全なスポーツ界をリードする役目を担ってほしいと願います。
こういった組織が身近にあると、先のわが子のバスケットボールキャンプの時のように、地域や学校イベントで訪問する機会に恵まれます。その競技を普及させることも大切な目的の一つなので、各組織とも子供むけの展示やイベントを積極的に企画されているみたいで、親としては大変ありがたいです。
そうそう今回色々調べてみて、わが家にとって最も感心の高いITF (International Tennis Federation) 国際テニス連盟はロンドンにあり、残念ながらスイスにはないことが分かりました(涙)。
スポーツマネジメントという選択肢
これだけスポーツ関連の国際組織が本部をスイスに置いていれば、もし、私が中学生くらいに戻れるなら、スポーツマネジメントの分野に進むことを考えたかもしれません。これだけ、就職先があるのですから。ちなみに、もし私が今スポーツマネジメントを学ぶとしたら、以下の学校のプログラムを選択すると思います。
Master of Advanced Studies (MAS) in Sport Administration and Technology degree
by aists ( Académie Internationale des Sciences et Techniques du Sport)
この学校、IOC (国際オリンピック委員会)、IMD(ヨーロッパ屈指のスイスにあるビジネススクール)、EPFL(ローザンヌ工科大学)など、名だたる組織や研究機関が協力してカリキュラムを作っているんです。
卒業生の就職先として、先にご紹介したスポーツ国際組織などが言及されていました。
また、先にご紹介した、UEFA(欧州サッカー協会)では、サッカー業界人材の教育にも力を入れています。UEFA Academyという教育機関を持っていて、例えば以下のような興味深いサッカーマネジメントや選手のセカンドキャリアに関するプログラムを提供しています。
- UEFA Certificate in Football Management (UEFA CFM)
- Executive Master in Sport Governance (MESGO)
- UEFA Executive Master for International Players (UEFA MIP)
サッカー界を盛り上げていく人材を育てたい、という意思が伝わってきませんか?欧州でサッカー強豪チームがひしめくのもうなづける気がします。
こういった進学先や就職先のオプションを小さい頃から知っていたら、スポーツを一生懸命やり切った競技生活の後、第二の人生もより豊かなものにしていけそうですよね。スポーツ分野に進みたいなぁと少し考えていた中学生の頃の筆者に、教えてあげたいです。
ということで、今回は、スポーツ国際組織の本部を多く持つという、スイスの一面をご紹介しました!
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