② 新型コロナウィルス、スイスでは。ー スイスで初感染者

<Photo by Louis Reed on Unsplash>

皆さん、こんにちは。

前回の「①コロナウィルス、スイスでは。」を書いたのはわずか2週間前だったのですが、昨日、日本では公立の学校が春休みまで休校するよう政府から要請が出て、本日スイスでは15人も陽性が確認されました。

ウィルス性なので、やることは風邪対策と変わらないのですが、常に最新情報を入手することが重要です。

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世界のコロナウィルス拡散マップ
スイスにおけるコロナ情報
筆者の試算
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世界のコロナウィルス拡散マップ

前回もご紹介したジョンズホプキンズ大学による、世界のコロナウィルス拡散マップはどうなっているでしょうか。


上記の写真は、2020年2月28日のものです。それによると、

総感染者数:83,774人
総死者数:2,867人
総回復者数:36,654人

中国の総感染者数:78,824人(人口13億人として国民の0.006%が感染)
武漢の総感染者数:65,914人(人口1100万人として市民の0.6%が感染)

2月16日のデータと比較して前向きなこととして分かることは、

  • 中国の新感染者の伸びが落ちてきている
  • 武漢では1/3が回復した
  • 中国国民の0.006%しか感染していない
  • 世界では総感染者の43%が回復した
  • 現在の感染者数は47,120人(総感染者数 - 総回復者数)で、2月16日の時点よりも少ない
こう見てみると、確かに中国は封じ込めに頑張っているな、と思います。
中国は、これまでに2回データの集計方法を変えていますので、多少の誤差はあると思いますが、現時点では、一般人が入手できる貴重な情報源となっていることに間違いはないと思います。

一部の報道によると、中国は症状の無い患者はカウントしなくなったと言っていましたが、だとすると、今後死亡率は上がっていく可能性がありますね。分母(感染者数)があまり増えずに分母(死亡者数)が大きくなるのですから。今後、万が一死亡率が上がったという報道を聞いても、あまりパニックになる必要はないかもしれません。

また、これまでの多くの報道から、約50%の方が無症状であること。だとすると、中国の感染者は大雑把に言うと、2倍いる可能性がありますが、仮に、中国に2倍感染者がいるとしても、全国民の0.06%しか感染していません。また、そうなると死亡率はより下がるので、安心材料になりますね。やはりあまりパニックする必要はないと筆者は考えるようにしています。

ただ、中国外での感染が少しずつ増えていることは皆さん周知の通りですし、回復して退院後に再び陽性反応が出たケースも報告されいていることから、予断は許さない状況です。この原因の一つに、現在行われているPCR検査が100%確定検査ではない、ということが挙げられています。また、未だに特効薬がないのも不気味さを煽る原因ですが、他のウィルス性の風邪にも未だに特効薬がないので、どう解釈してよいものやら、ですね。

死亡者数も増えてきてはいますが、インフルエンザでは世界的に毎年50万人前後がなくなっていることも覚えておきたいことです。

スイスにおけるコロナウィルス情報

スイスでも残念ながら、今週の水曜日に初の感染者が確認されました。それからわずか3日後の今日ですが、15名に陽性反応が出て、1000名以上の規模のイベントが3月15日まで禁止となりました。

日々変わる情報源としては、
が良くまとめてくれています。スイス連邦内務省保健局は日本の厚生労働省にあたりますから公式情報となります。スイスインフォは、メディアなので一般の方にわかりやすく状況を知らせてくれています。職場でも学校でも最新情報に目を光らせているようで、職場や学校から家族が帰ってくると、ほぼ最新情報を知っています。末っ子もまだ6歳ですが、昨日は、学校からコロナウィルスに関する情報や手を良く洗うように書かれたチラシを持って帰ってきました。水曜日に初の感染者が出てから、次の日にはそのチラシが配られていますから、対応が速いと感じました。

息子たちの学校も、スイス連邦内務省保健局の指示に準ずる、という連絡が学長から保護者宛に迅速にきました。息子たちは学校でWHOによるビデオも見たようです。確率された対処法はないものの、別のコロナウィルスによる風邪は以前から存在しており、風邪の一種とちゃんと理解しているようでした。インフルエンザで、世界では毎年50万人前後がなくなっていることも知っており、随分と落ち着いています。

筆者のパートナーは、本日組織の産業医より、スイス連邦内務省保健局、および、WHOのアドバイスに準じて対策をとって行くと方針を説明されたそうです。

ちなみに、WHOのコロナ情報のページはこちらです。日本や米国からパンデミック宣言が遅いとケチがつけられていますが、筆者はそれでも世界の公衆衛生情報を統括し、各病原体への対処方や各国の取り組みに関するベストプラクティスの世界的な共有のため、なんらかの世界的な組織は必要なのではないかな、と思っています。

末っ子の習い事のクラブからも、クラブの対応も内務省保健局の指示に準ずる、と先程メールが来ました。

学校や組織の対応を見ていると、さすが自衛の国スイス、という印象を受けます。人口が800万人と少ないこともあるかもしれませんが、トップに対する信頼と明確な指示系統があるようです。また、国民1人1人の自衛心もしっかりあり、皆さんとても冷静です。余計なことは心配せず、必要なことをやるのみ、といったブレない毅然とした態度が伺えます。

筆者の試算

ちなみに、筆者が住む街が武漢並になったとしたら?

勝手に筆者が武漢のデータを当てはめてみたところ、総感染者数3000人。さらにその20%が重症化すると、重症者数600人という計算になりました。まだ、武漢ほどの患者数が出ている街は世界でありませんので、実際はおそらくこれよりも小さい数字なるのではないかと思います。

スイスには、中国のデータを当てはめてみました。

総感染者数:510人(スイス人口850万人 x 0.006%)
重症者数:102人(総感染者数の20%)

次に、武漢のデータを当ててみます。

総感染者数:51,000人(スイス人口850万人 x 0.6%) 
重症者数:12,000人(総感染者数の20%)

つまり、スイス国内で予想される総感染者数は510人〜51,000人、重症者数は102人〜12,000人ということになります。あくまでも、筆者の予想です。本来ならば、様々なファクターを考慮すべきなのですが、概算です。なぜ計算してみたかと言うと、これぐらい行って普通、と心の準備ができていれば、日々報告される新感染者数に動揺せずにすむのではないかと思ったからです。

おそらくスイス全土の対策を考える上で、似たようなシミュレーションがどこかでなされているはずです。この数値を最小限に抑えるべく、アジアでの教訓も活かしてより効果的な対策をとって欲しいと思います。

仮に、スイスで重症者が12,000人も出たら困りますよね。ですから、いかに武漢が大変な状況かが分かると思います。初期の段階で、市民がパニックして来院したことから、感染が広まったとされています。スイスも一人一人がパニックせずに対応することで、この数字を低くしていくことが大切だと感じています。

今のところ、学校や職場では制限はされていませんが、時間の問題かなという気もしますが、落ち着いて日々を過ごしていきたいと思います。

本当は今晩、友人宅へパーティに呼ばれていたのですが、念のため2日前にお断りしておきました。お断りするのも心苦しいのですが、アジア人や専業主婦家庭は、既に引きこもりモードです。西欧人家庭や共働き家庭は、通常通りの生活をしている感じです。

早く平穏な日々が戻ることを願いつつ、これを機に遅々として進まなかった特に日本の働き方や学びの改革が進むといいなとも、思っています。

引き続き、コロナウィルスの動向は追っていきたいと思います。

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